以前「しいくにゅーす」でもお知らせしましたが、6月23日に天売島(北海道羽幌町)から2頭のノラネコが来園しました。天売島は海鳥の繁殖地として知られていますが、島内にいるノラネコが海鳥を襲ってしまうという問題が起きています。
現在羽幌町が中心となってノラネコを捕獲し馴化(じゅんか:人に慣れさすこと)して里親を探すという取り組みを行っており、旭山動物園もこれに協力させていただいています。
馴化中のネコはキジトラネコのチロル、黒ネコのひじき。どちらもオスです。
来園した当初、チロルは人間と関わろうとしない引きこもり、ひじきはケージに近づいただけでも牙むき出しで「シャーッ!」と威嚇しまくり。
動物園に来た当時の「ひじき」 |
引きこもりの「チロル」(動物園に来た当時) |
なかなか手強そうな2匹にどうやって馴化していこうか…と思いましたが、数日経つとチロルもひじきもエサへの食い付き抜群なことが判明。エサの時間を利用して、徐々に距離を縮めていきました。
来園してもうすぐ3か月が経ちますが、キジトラネコのチロルはすっかりベタベタの甘えん坊になりました。「出してー!かまってー!」とひたすら鳴き、一度ケージから出るとなかなか戻ってくれません。抱っこと撫でられるのが大好きで、大音量のゴロゴロを聞かせてくれます。
一方黒ネコのひじきは…まだまだです。以前と比べるとだいぶ表情も穏やかになり、おもちゃで遊ぶのも大好き、エサも手から直接食べてくれるようになりましたが、触られるのはやっぱり嫌なようです。今日も引っ掻かれました。最近やっとエサを食べている間なら少し撫でさせてくれるようになり、本当に少しずつですが確実に進歩しています!
おもちゃ大好き |
自分からヒザの上にのってきます |
チロルとひじきは窓越しに馴化の様子を見ていただく形での展示ですが、皆さんに直接見ていただけるように現在準備中です。天売ネコたちの馴化の様子を見守っていただき、人間と海鳥とネコの関係について考えていただくきっかけになればと思います。