2015年10月20日火曜日

ミクロの世界

 調理棟で、体長3mmほどの小さなアリを見つけました。
 払いのけようとすると、そのアリはサッ!と真横に飛びのいたのです。

 むむっ!この動き・・・おぬしアリではないな!?
 さてはウワサに聞いた「アリグモ」かっ!!

これを「アリグモ」だと気づく人は少ないでしょう

 アリグモとは、アリそっくりに擬態したクモの一種です。
 アリの足は6本、クモは10本。でもアリグモは1対の足をアリのあごのように見せ、もう1対を触角のように動かしながら、6本足の「アリのように見せかけている」のです!

 虫たちにとって、強力なあごを持ち群れで行動するアリは、クモよりも恐ろしい存在。
 アリグモは「アリに擬態することで外敵から身を守っている」と考えられています。
 まぁ人間から見ればクモもアリもちっこい虫なわけで、「その擬態、意味あるの!?」と思っちゃいますが(笑)

よ~く見ると、触角やあごに見える部分も足です
こうした生物の進化って本当に不思議ですよね。

 アリの体は頭・胸・腹の3つに分かれており、クモは頭胸部と腹の2つに分かれます。
 アリグモは頭胸部にくびれがあり、アリのような体に見えるのです。
 本当に「芸が細かい」ですね。
 そのうちおしりからスーッと糸を出したので「やっぱりクモなんだ」と確信しました。

 もうじゅう館担当になり、ライオンやヒグマなど大型動物の魅力を日々感じています。
 一方で、ほんの数mmしかない虫たちにもまた、同じくらいの魅力を感じずにはいられません。

もうじゅう館担当:大西 敏文