2015年4月20日月曜日

ポケットの落花生

 毎朝エサの入ったカゴを肩からさげ、ギシギシのかたい扉を開け嗅ぎ慣れた彼らの匂いを胸一杯に嗅ぐところから1日が始まり、「じゃあね」と言って扉を閉めると1日が終わる。

 毎日彼らの名前をたくさん呼んだけど今日からはそれが日常ではなくなってしまった。


 恐怖心からはじまったオランウータンの担当。とにかく頭の良い彼らに「負けないこと」を意識したが、それがすぐに間違いだということに気づかされる。

 相手を認め、自分を認めてもらう。これが一番大事なことだったかな。

 たくさん悩んだり、つまずいたり、心が折れそうになったりもしたけど、それ以上に素晴らしいものを与えてくれた。

 まだまだやりたいこと、やらなきゃいけないことがたくさんあったけど、この日が来た。
 いつも作業ズボンのポケットに入っていた落花生が、今日からは無い。


 彼らがどう思っていたのかわからないけど、自分はオランウータンを担当することができて本当に良かった。

 素晴らしい日々をありがとう。 


いつも静かに優しく見守ってくれたジャック
最後に素晴らしい体験をさせてくれたリアンとモカ

たくさん遊んで一緒に成長してきたモリト

また会う日まで!

愛する彼らに幸あれ!

ホッキョクグマ・ワシ・タカ担当:大内 章広